医師会代表あいさつ

ごあいさつ

 一般社団法人横須賀市医師会は、市民の皆様の健康と生命を守り、地域と密着し、各種の事業を展開している学術団体です。横須賀市医師会は、明治40年(1907年)に創設されました。創設時の会員数は僅か42人でしたが、令和5年(2023年)3月には会員数540人(病院診療所代表249人、勤務医235人、臨床研修医56人)で構成されています。

 平成26年(2014年)4月、田戸台にあった横須賀市医師会は横須賀市救急医療センターを併設して新港町に新築移転しました。

 横須賀市救急医療センターは、平成17年(2005年)4月から市の指定管理者制度により医師会が管理運営を行っています。内科・小児科・外科3科の専門医師の診療体制のもと、薬剤師、放射線技師も常駐し、県内の一次救急医療施設では最多の、年間38,000人前後の患者さんを診察しています。救急医療センターはまた、市内の11か所にある地域医療救護所の拠点として、大規模災害時には災害時医療の中心的役割を果たす機能も持っています。既に医師会では平成9年(1997年)から、震度7の直下型大地震を想定した災害救護訓練を毎年行い、災害時に備えた医療救護体制を整備しています。

 医師会では市の委託を受け、特定健診・特定保健指導、成人健診、後期高齢者健診、各種がん検診(胸部検診、胃がんリスク検診、大腸がん検診、乳がん検診、子宮頸がん検診、前立腺がん検診)、肝炎検査、各種予防接種、学校医の派遣を行っています。特に、ヘリコバクターピロリ菌抗体検査を用いた胃がんリスク検診は平成24年(2012年)から開始され、現在まで多くの胃がんを発見するなど大きな成果をあげています。令和元年(2019年)から、中学2年生の希望者を対象に検尿によるヘリコバクターピロリ菌検査を実施し、令和5年(2023年)には20歳30歳時に胃がんリスク検診を受けることができるようになりました。若年のうちに除菌すれば、将来、横須賀市から胃がん発生をゼロに近づけることができると思います。

 平成16年(2004年)4月から、市の委託を受けて横須賀市立看護専門学校の運営を行い、毎年100%近い看護師国家試験の合格率を上げるなど、優秀な看護師の育成に努めています。

 横須賀市では市民の高齢化が進み、在宅医療・在宅看取りの環境整備が急がれています。医師会は平成24年(2012年)、在宅医療連携拠点「かもめ広場」を立ち上げ、在宅医療の普及と関係多職種によるネットワークづくりに取組んできました。平成25年(2013年)から市の「在宅療養連携推進事業」の実施委託を受け、今後も市と連携しながら在宅医療を推進していきたいと考えています。令和4年には、終末期における本人の意思を尊重するACP(アドバンス・ケア・プラニング)に関する横須賀市医師会版「適切な意思決定支援に関する指針」を作成しました。

 令和2年(2020年)には新型コロナ感染症拡大により、社会に大きな影響を与えています。当医師会ではいち早く救急医療センター敷地内にPCRセンターを設置し、さらに救急医療センターの振り分け外来も併設するなど新型コロナ感染症対策を行いました。新型コロナワクチン接種も多くの診療所(個別接種)で実施し、集団接種にも協力し、新型コロナ感染症拡大防止に積極的に取り組んでいます。令和4年には軽症者の見守り事業「神奈川モデル」の推進、横須賀独自の中和抗体療法の実施、オンライン診療の補助事業等、新型コロナウイルス対策を打ち立てました。令和5年5月には新型コロナ感染症は感染症法上、2類から5類に変更になり社会生活にも活気が戻りつつありますが、今後の感染状況を注視する必要があると思います。

 このように横須賀市医師会は、市民の皆様に安全で健康的な生活をおくっていただくため、救急・災害医療の整備、がんの早期発見治早期治療を目指した検診の充実、老後も安心できる在宅医療の推進の3事業に、そして新型コロナ感染症対策に重点を置いて取組んでいます。

 これからも市民の皆様に親しまれる、信頼される医師会を目指していきたいと思います。医師会の活動に、ご理解ご協力をよろしくお願い申し上げます。

令和5年(2023年)7月
横須賀市医師会 会長  三屋 公紀