T72時間以内の対応
A 医師会の対応
  B 災害現場での対応
     
U72時間以降の対応
1. 医療救護の対象
  2. 医薬品
Vトリアージについて
1. トリアージの意義
  2. トリアージのカテゴリー
  3. トリアージの実施方法
  4. 実施に対して注意事項
  5. 統一トリアージタッグの特徴
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1)トリアージの意義

 災害時等において、現存する限られた医療資源(医療スタッフ、医薬品等)を最大限に活用して、救助可能な傷病者を確実に救い、可能な限り多数の傷病者の治療を行うためには、傷病者の傷病の緊急性や重症度に応じて、治療の優先順位を決定し、この優先順位に従って患者搬送、病院選定、治療の実施を行うことが大切である。
 多数の傷病者が一度に発生する特殊な状況下において、現存する限られた医療資源の中で、まず助かる可能性のある傷病者を救命し、社会復帰へと結びつけることに、 トリアージの意義がある。トリアージとは、負傷者を重症度、緊急度などによって分類し、治療や搬送の優先順位を決めることであり、救助、応急処置、搬送、病院での治療の際に行う。

※トリアージ(Triage)は、治療(Treatment)、搬送(Transport)とともに、災害時医療で最も重要な3つの要素(3T)の一つである。
具体的な例として、

トリアージの基本概念は、必ずしも災害時に限らず、日常のなかにも存在する。
例えば、一般外来において多くの患者が待っていた場合、その時の状態によっては、長時間の外来診療に待てる状態でない患者が存在したとき、重症患者を優先して治療ができるように他の外来担当医師にも応援を依頼するなどの判断がトリアージとなる。
このような場合、
  日常の医療では、時間、資材、マンパワーなどの制約がないため、一人の重症  患者にいろいろな意味で全力投球することが可能である。
  しかし、災害時においては、多数の負傷者に対して、資材、マンパワーの不足の中で、負傷者全体に対する最も効果的な治療方針を決定しなければならない。
トリアージにあたって銘記すべき重要なこととしては、
 トリアージとは、その状況下におけるもので、絶対のものではないということであり、状況が変われば、トリアージカテゴリーも変わるということである。
 患者の状態も変化するし、医療資源や搬送条件も変化するため、トリアージは繰り返し行わなければならない。

2)トリアージのカテゴリー

ア. 傷病の緊急性・重症度に応じ、次の4区分に分類し、トリアージタッグをつける。
イ. 限られた医療スタッフ・医薬品等の医療機能を最大限に活用し、可能な限り多数 の傷病者の治療を行うため、災害規模等により、トリアージの運用は変更される。
 
順位 分  類 識別色 傷病等の状態
第1順位 最優先治療群
(重 症 群)
赤 色
(T)
・直ちに処置を行えば、救命が可能な者
第2順位 非緊急治療群
(中等症群)
黄 色
(U)
・多少治療の時間が遅れても生命には危険がない者
・基本的には、バイタルサインが安定している者
第3順位 軽処置群
(軽 症 群)
緑 色
(V)
・上記以外の軽易な傷病で、ほとんど専門医の治療
 を必要としない者
第4順位 不処置群
(死 亡 群)
黒 色
(0)
・既に死亡している者又は直ちに処置を行っても
 明らかに救命が不可能な者
3)トリアージの実施方法
トリアージの具体的な手順は、
 
  • トリアージ実施責任者が、傷病者の状態を観察し、トリアージ決定要因に留意して、トリアージカテゴリーを基準にしながら優先順位を決定し、その結果に基づきトリアージタッグに記入し、適当な切り取り線で切り取り、当該患者につける
  • トリアージタッグは、原則として、右手首関節部につけるが、その部分が負傷している場合は、左手首関節部、右足関節部、左足関節部あるいは首の順で、つける部位を変える。なお、衣服や靴等にはつけないようにする。
  • トリアージスタッフは、トリアージタッグの記入にあたって、トリアージ区分等トリアージタッグ主要記載事項以外の部分については、事前にできるだけ、記入可能もしくは聞き取り可能な患者について、タッグの配布又は患者への聞き取りにより記入すること
トリアージに要する時間は、傷病者数と症状の程度等により異なってくるが、おおよそ1人当たり数十秒から数分程度で終わらせる。
トリアージは1回で終わるのではなく、災害現場、救護所、病院到着後など必要に応じ、繰り返し実施する。
各医療従事者や救護班のスタッフは、トリアージの結果に基づき、各場面においてそれぞれ適切に対応する。
4)トリアージ実施に際しての留意事項
トリアージ実施責任者は、周りから明らかに分かるようにしなければならない。ヘルメット、腕章等による表示。
トリアージを行う前に、傷病者をむやみに動かしてはならない。
トリアージエリア内には、傷病者以外の者(家族や報道関係者など)を入れてはならない。
トリアージの結果について、他の医療従事者は私見をはさまない。
トリアージの結果について、傷病者およびその家族が納得できない場合には、災害の状況、傷病者の状況を説明し、可能な限り理解を得るよう努めなければならない。
家族からの問い合わせ等に対応するため、搬送、収容された傷病者の氏名などの情報を提供しなければならない。
トリアージの実施場所に余裕のない場合は、最も緊急度が高くかつ搬送・治療を必要とする者の収容場所を優先的に設けなければならない。
明らかに死亡又は死亡と確認された者は、トリアージ実施場所とは別な場所に安置しなければならない。   
5)統一トリアージタッグの特徴
医療救護活動の各場面(トリアージ、応急措置、搬送および治療)で一貫して利用可能である。
傷病者の収容先等安否情報としても利用可能である。
3枚綴りで、各紙面には、医療情報や特記事項等が記載が可能であり、カルテとしても活用できる。
紙質は、水に濡れても字が書けるよう、丈夫なものとする。
台紙がわりに、片手で持って記載できる寸法(縦23.2cm×横11.0cm)である。
モギリ式とし、ミシン目が適度に切り取り可能で、かつ容易にはがれなくなっている。

※ 神奈川県災害時医療救護マニュアルより

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